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帰って来たかえるのへや

その8)12月29日記


2006.12.29記)その8「見守ってみた、それは成功に思えた」


拘束していた手を離して見守りに回れと言う方針が前回出たが、
もちろん一気に手を離したわけではない。
じょじょに徐々に進めた。

「その4」で書いた屋根昇りについては、
彼女が制止を聞かず勝手に登ってはしまうが、転落もしないし、
何よりも飛び下りをした事がないのを評価した。
彼女なりに相当ギリギリの見切りながら危険意識はあるようだ。
それならいつも降りたい時に降りられるわけでない事がわかれば
登る事自体やめてくれるだろうか?

そう考えたKaeruは登るのを止めなくなった。
が、彼女の降りたそうな素振りが見えるまで
下でお待ち申し上げているのもやめた。
自分の仕事が済んだらその場を離れるようにして、
ただ、アカネが呼んだら、頼んで来たら
駆け付けられるような距離にはいるようにした。

もしもこれで飛び下りるような子なら
そこまでの痛い経験をしなければ学べない子なんだろう。
2階の屋根から飛び下りたら、
いくら猫でも骨折するだろうか。まずくすると半身不髄とか。
でも、即死の確率は宝くじ並みと見込んだ。
お前を捨てるわけではない、
頼まれたらもちろんちゃんと応じてやる。
落ちたら拾ってやる、まずくしても一生面倒は見てやる。
そこまでの覚悟をKaeruは決めてアカネに言ったつもりだ。
「やりたいようにやってみろ。自分の自由と責任で。」

さすがにアカネは困ったらしい。
分離不安で泣く事はあるが、
おそらく人に頼むと言う発想自体なかっただろう彼女だ。
今まで頼まれたから、
ここに降りてと頼まれてステップまで用意されたから、
そろそろ屋根の上も飽きたしと降りてやったのだ(?)。
Kaeruが見当たらないため勇を振るったアカネが
飛び下りてしまった事も1度あった。
2階のベランダに着地できて、見たところ怪我はなかった。
が、これは本当に懲りたとみえて、2度としなかった。
以後は屋根の上で鳴いているようになり、
すぐ聞こえなかったらしいKaeruは
ご近所さんに指摘されなかなか恥ずかしかった。
それでも頼まねば降りられない、
頼んでもすぐ降ろしてもらえるとは限らない、と
寒さに震えたりしながらアカネが悟るには
1度の経験では十分でなかった。
頭で確かに理解できてからも、
やはり屋根の上はあまりに誘惑が強く、一生懸命我慢したが
どうにもうずうずして我慢し切れなかったあ、と言う感じの
ジャンプをその後も随分何回もやって、
そして徐々に徐々に間隔が空いて行って、
やらずに我慢する事を選択できるようになったのだ。

アカネにはこのくらい危ない橋を渡らねば行動変容はできなかった。
また、結果としてやらせても大丈夫だった。

運動上手な子って得てして怪我が平気なものだ。
危険を感じない?のみならず
怪我した後もさっぱり医者の安静指示なんか守らず動きだし、
結果として人より治りが早い。
で、さっぱり懲りずにまた危険にチャレンジし、また運動上手になる。
アカネに起こったのはそういう事だろうか。
子供?はすべからく伸び伸びやりたい事を体験させればいいのだろうか。
そんな程度の話だったのだろうか。

が、彼女は屋根昇りを結局はやめた。
いつか降ろしてくれるさと信じて
しばらく屋根で待機する事を我慢して待てれば、
やめなくてはいけない行為ではなかったわけだが、それは選択しなかった。
降りたい時降りられない場所はやっぱり危険だと考えたのだろうか。
自分の自由にするのはいいが、
周囲が自分の自由に合わせてはくれないとわかっただろうか。
もしやちょびっと人間不信にもなっただろうか。
単に屋根昇りに飽きたとか、
人に頭を下げるのがいやだったとか(^ ^;。

ゴウやアキラには、カンナの子供達には
それなりにKaeruは怒ったし、ゴウには時に落ち込んだが、
アカネのようにここまで乗るか反るかの危険な目に
ほんにんを合わせてみる必要まで感じた事はなかった。
わたしはアカネと違って気持ちのやり取りのできる彼等を
そんなに威圧して、または不安を植えつけて育てたのだろうか?
......わからない。

ともかくも自然に無意識にやりとり、融通しあえない
かたくなな相手に行動を変えてもらうためには、
これだけきつい揺さぶり体験に曝す必要があるのだ。

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